第165章:バロンの陰謀

チャールズは車のドアフレームに拳を叩きつけた。あまりの強さに、窓ガラスが不吉な音を立てて震えた。

ネイサンはバックミラー越しにその様子を窺い、長い躊躇いの後、ついに口を開いた。「ウィンザー様、ご自宅に戻って少しお休みになられた方がよろしいのでは?」

「いや」

チャールズの声は、彼自身のものとは思えないほど掠れ、しゃがれていた。

目を閉じるたび、血の気を失ったダイアナの顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。まさかポーラだったとは、想像すらしていなかった。彼女は5年前、ダイアナの殺害を積極的に企てておきながら、見事なまでに自分の役を演じ切っていたのだ。

明らかに、彼女はチャールズを恐れてなど...

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